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OpenAIと日立が日本の基幹システム近代化で提携 — 1万5,000システムのレガシーコード解析・近代化支援にCodexエージェントを投入

6月18日、Computer Weeklyが「OpenAI deepens Japan footprint with Hitachi deal」と題した記事を公開した。この記事では、OpenAIが日立製作所と提携し、老朽化したミッションクリティカルシステムの近代化とサイバーセキュリティ強化にCodexエージェントを活用する取り組みについて詳しく紹介されている。

6月18日、Computer Weeklyが「OpenAI deepens Japan footprint with Hitachi deal」と題した記事を公開した。この記事では、OpenAIが日立製作所と提携し、老朽化したミッションクリティカルシステムの近代化とサイバーセキュリティ強化にCodexエージェントを活用する取り組みについて詳しく紹介されている。


Codexが日本の基幹システム近代化に投入される

今回の提携の核心は、OpenAIのCodexエージェントを使ったレガシーシステムの近代化だ。両社のForward Deployed Engineer(FDE)チームが協力し、ミッションクリティカルな既存システムのソースコードを解析する。具体的には、ソースコードからの高水準仕様のリバースエンジニアリングから、新システムへの移行テストまでをカバーする。

対象はまず金融機関から始まり、その後より広い業界へ展開される予定だ。

日立の徳永俊昭社長兼CEOは、レガシーシステムの近代化とセキュリティ強化を「AIの時代に持続的成長を目指す企業にとって経営上の最重要課題」と位置づけた。日立は現在、日本国内だけでミッションクリティカルな社会インフラを支える1万5,000のシステムを運用している。この規模感が、今回の取り組みの重要性を示している。


サイバーセキュリティ強化:TAC/Daybreakプログラム

日立はコード近代化に加え、OpenAIのTrusted Access for Cyber(TAC)プログラムを通じて防御的なサイバーセキュリティ用途でもAIモデルへのアクセスを得る。これはOpenAIが日本向けに展開する「Japan Cyber Action Plan」の一部だ。

OpenAIのDaybreakイニシアチブのもとで、日立のCyber Centre of Excellenceが内部的にAIモデルを活用し、脆弱性の特定、修正策のテスト、システムの検証を行う。人間による監視とガバナンスの仕組みを組み合わせた運用が前提となっている。

両施策から得られた知見は、日立の次世代AIソリューション群「HMAX」の製品改善にもフィードバックされる。


日本展開の全体像:OpenAIが各方面で根を張る

今回の日立との提携は、2025年10月に締結されたMOU(基本合意書)を拡張したものだ。当初のMOUは日立のLumadaプラットフォームへのAI適用に焦点を当てていた。

OpenAIの日本展開はここ数年で急速に加速している。以下は元記事および公開情報をもとにまとめたものだが、※印の項目については編集部が外部情報源を参照して補足した情報であり、元記事に直接記載されていない内容を含む。

  • ※ソフトバンクとのJV:2025年末、SoftBankとの合弁会社を設立し、AI製品の提供とSI(システムインテグレーション)サービスを展開。今週SoftBankはこのJVの技術を使い、交通・電力・空港など重要インフラを運営する日本上位3,000社向けのAI活用パッチサービスも発表した。
  • ※NTTデータ:2025年4月、日本企業として初めてOpenAIサービスの販売代理店となり、ChatGPT Enterpriseの提供を開始。2027年度末までにOpenAI関連事業で累計1,000億円(約7億ドル)の売上達成を目標に掲げている。
  • ※デジタル庁との連携:2025年10月、OpenAIと日本のデジタル庁が提携を発表。OpenAI技術を基盤とするAIツール「Gennai」を政府職員向けに提供することが決まった。
  • 金融機関向けサイバーAI:先月、日本の金融大臣がTACプログラムの下で一部の日本金融機関に特定のサイバー向けモデルへのアクセスが付与されたことを確認している(※元記事に記載されているモデル名の正確な表記については、元記事原文を参照されたい)。

OpenAI Japanの長崎忠雄社長は「日立との提携は、日本の重要産業と社会インフラにおけるAIのより安全かつ実践的な活用に向けた重要な一歩だ」と述べた。


エンジニアにとっての論点

今回の取り組みで技術的に興味深いのは、Codexエージェントをレガシーコードの解析と高水準仕様のリバースエンジニアリングに使う点だ。多くの大企業が抱えるCOBOLやFortranベースの基幹システムをどこまで自動解析できるかは、実際のユースケースでまだ未知数の部分が多い。

アーキテクチャ的な観点からも注目すべき点がある。CodexはOpenAIが提供する非同期エージェント実行に対応したコーディングエージェントであり、長時間にわたるタスク——たとえばサイズの大きいコードベースの走査や仕様ドキュメントの自動生成——をバックグラウンドで処理できる設計になっている。1万5,000システムという規模を相手にするには、こうした非同期・並列処理の能力が前提条件になる。人間のエンジニアが逐次レビューしながら進める従来型の手法と比較したとき、どの工程でどこまで自動化できるのかが、実案件から得られる最大の知見になるだろう。

金融機関への優先展開という順序も示唆的だ。規制対応や高可用性要件が特に厳しいセクターでCodexエージェントを先行投入することで、エラー許容度の低い環境における精度と安全性が実証されれば、その後の幅広い業種展開の信頼性が格段に高まる。逆に言えば、金融向けユースケースは技術的にもっとも難度が高い試験場でもある。

日立が「1万5,000システム」という規模で実案件に投入する点は、Codexの実力を測る大規模な試金石になるだろう。その成果は業界全体のレガシー近代化戦略にも影響を与えうる。

詳細はOpenAI deepens Japan footprint with Hitachi dealを参照していただきたい。