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Deep Dive

ChatGPTに推薦されたブランドは2.5倍訪問されやすい — しかもその流入はアナリティクスに「検索経由」として記録される

6月25日、Danny Goodwinが「ChatGPT recommendations drive more brand website visits: Study」と題した記事を公開した。Similarwebの調査によると、ChatGPTでブランドを推薦されたユーザーは推薦を受けなかった競合ブランドと比べて平均2.5倍の確率でそのブランドのサイトを訪問しており、しかもそのAI起点の流入の55.9%は既存アナリティクス上で「検索経由」として計測されていた。ChatGPTが集客に貢献しているかどうか、従来の流入レポートだけでは見えない構造になっているという。

6月25日、Danny Goodwinが「ChatGPT recommendations drive more brand website visits: Study」と題した記事を公開した。Similarwebの調査によると、ChatGPTでブランドを推薦されたユーザーは推薦を受けなかった競合ブランドと比べて平均2.5倍の確率でそのブランドのサイトを訪問しており、しかもそのAI起点の流入の55.9%は既存アナリティクス上で「検索経由」として計測されていた。ChatGPTが集客に貢献しているかどうか、従来の流入レポートだけでは見えない構造になっているという。


調査の手法と概要

Similarwebが実施したこの調査は、米国のデスクトップユーザーが金融・旅行・美容の各分野でChatGPTに業界関連の質問を行い、特定ブランドの推薦を受けた後、7日以内にそのブランドまたは競合サイトを訪問したかどうかを追跡したものだ。直近4週間にそのブランドを訪問済みのユーザーや、質問内でブランド名を自ら挙げたユーザーは除外されており、純粋にChatGPTの推薦が行動変容を引き起こしたケースのみを計測している。データはSimilarwebのオプトイン形式の米国デスクトップWebパネルを使用し、2025年7月〜12月の行動を追跡した。対象は金融・旅行・美容の競合関係にあるブランドペアに限定されている。

業界別の数字が示す推薦効果

業界をまたいで同様のパターンが確認された。

金融:

  • American Expressが推薦された場合 → American Expressへの訪問率7.2%、Capital Oneは3.1%
  • Capital Oneが推薦された場合 → Capital Oneへの訪問率14.2%、American Expressは3.8%

旅行:

  • Skyscannerが推薦された場合 → Skyscanner訪問率9.5%、Kayakは7.6%
  • Kayakが推薦された場合 → Kayak訪問率12%、Skyscannerは3.4%

美容:

  • Sephoraが推薦された場合 → Sephora訪問率7.9%、Ultaは3.3%
  • Ultaが推薦された場合 → Ulta訪問率7.6%、Sephoraは4.6%

推薦されたブランドへの訪問率は全ケースで競合を上回っており、推薦の有無が実際のトラフィックに直結していることがわかる。特に金融分野ではCapital One推薦時に14.2%という高い訪問率が記録されており、ブランドや業界の性質によって推薦効果の大きさにも差がある点は注目に値する。旅行分野でもKayakとSkyscannerの間で推薦方向によって訪問率が大きく逆転しており、ChatGPTへのAI可視性(AI Visibility)がそのまま集客力の優劣に直結する構図が浮かび上がる。

「AIからの流入」はアナリティクスに映らない

この調査で最も実務的に重要な発見は、ChatGPTによる影響が既存のアナリティクスでは可視化されにくいという点だ。

AI経由で影響を受けた訪問のうち、55.9%は検索経由として計測されていた(非AI影響訪問では40.4%)。一方、ダイレクト流入は19.9%にとどまり、非AI影響訪問の38.8%を大きく下回った。

これはなぜ起きるのか。ChatGPTのUIはブラウザ上で完結するWebアプリケーションであり、ユーザーがリンクを直接クリックするケースは少ない。多くの場合、ChatGPTでブランド名を知ったユーザーはその後自分でGoogleなどの検索エンジンにブランド名を入力して訪問する。この場合、アナリティクス上のリファラーはGoogleとなり、流入元は検索(オーガニックまたは有料検索)として記録される。ChatGPTが出発点だったという情報はどこにも残らない。なお、調査データが示す「検索経由55.9%」にはオーガニック検索だけでなく有料検索も含まれうる点には留意が必要だ。

つまり、ChatGPTでブランドを知ったユーザーが後からGoogleで検索してサイトに訪れても、アナリティクス上は検索流入としか記録されない。ChatGPTが集客に貢献しているかどうか、従来の流入レポートだけでは判断できない構造になっている。

AI経由ユーザーはサイト滞在も深い

訪問の質にも差が出た。AI推薦を受けたユーザーは平均12ページを閲覧し、11.8分をサイト上で過ごした。非AI影響ユーザーの6.5ページ・5.6分と比べると、約2倍の関与度だ。Similarwebは、AI会話の中で選択肢を絞り込んでから訪問しているためだと分析している。単に訪問数が増えるだけでなく、訪問1件あたりの質が高いという点は、AI推薦を獲得することの戦略的価値をさらに高める要素だといえる。

SEO・流入分析への含意

SEOや流入分析を担当するエンジニア・マーケターにとって、この調査が示す含意は明確だ。ChatGPTが自社ブランドを推薦しているのか、それとも競合に誘導しているのか——その把握なしに集客チャネルの全体像は描けなくなりつつある。AI経由の流入が検索流入に紛れ込む構造を踏まえると、ブランド指名検索量の変化やChatGPT上でのブランド言及状況を独立した指標として監視する体制が今後求められてくるだろう。

詳細レポート「The Downstream Impact of AI Visibility」はSimilarwebのサイトから登録制で入手できる。

詳細はChatGPT recommendations drive more brand website visits: Studyを参照していただきたい。