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「AI学習に著作権は不要」論にVodafone元CEOが反論——「それは盗みを認めろということか」

10月10日、The Next Webが「Vittorio Colao on AI and copyright: 'You want me to allow stealing?'」と題した記事を公開した。元イタリア通信相でVodafoneのCEOも務めたヴィットリオ・コラオが、AI企業による著作権緩和要求に真っ向から反論した。「盗みを認めろということか」——この一言が、EUの規制論争に新たな視点を投げ込んでいる。「著作権保護は盗みを防ぐためだ」——コラオの直言ヴィットリオ・コラオは現在、グローバルプライベートエクイティ大手General AtlanticのEMEA(欧州・中東・アフリカ)担当副会長を務める。元政治家・元経営者であると同時に、現役の投資家でもあり、本記事での発言はその複合的な立場から発せられている点に留意されたい。10月10日、イタリア・トリノで開催されたテックカンファレンス「Wave by Vento」に登壇し、The Timesのジャーナリスト、イアン・キングのインタビューに答えた。EUの規制がAIの発展を妨げているかという問いに対し、コラオは「そうだ」と即答した。た...

10月10日、The Next Webが「Vittorio Colao on AI and copyright: 'You want me to allow stealing?'」と題した記事を公開した。元イタリア通信相でVodafoneのCEOも務めたヴィットリオ・コラオが、AI企業による著作権緩和要求に真っ向から反論した。「盗みを認めろということか」——この一言が、EUの規制論争に新たな視点を投げ込んでいる。

「著作権保護は盗みを防ぐためだ」——コラオの直言

ヴィットリオ・コラオは現在、グローバルプライベートエクイティ大手General AtlanticのEMEA(欧州・中東・アフリカ)担当副会長を務める。元政治家・元経営者であると同時に、現役の投資家でもあり、本記事での発言はその複合的な立場から発せられている点に留意されたい。10月10日、イタリア・トリノで開催されたテックカンファレンス「Wave by Vento」に登壇し、The Timesのジャーナリスト、イアン・キングのインタビューに答えた。

EUの規制がAIの発展を妨げているかという問いに対し、コラオは「そうだ」と即答した。ただし条件を付け加えた。

「ただし、やり方はそれぞれ異なる。すべてを同一視することはできない」(コラオ)

規制ごとに評価を分けるべきという立場から、コラオは以下のように各規制を評価した。

規制ごとの評価——GDPRは問題、DSAは擁護

GDPRについて:AI開発の障害になっていると明言した。EUのオムニバスパッケージ(複数の規制を束ねて簡素化を図る法的手法)がある程度の改善をもたらしたが、まだ不十分だという。

AI法(EU AI Act)について:「善意ではあるが、実装が複雑すぎて、現時点では実行できていない」と述べた。

「善意、実装が複雑すぎる、そして今や実装する能力がない」(コラオ)

先月、元Meta(Facebook)の幹部ニック・クレッグも同法を「dog's dinner(めちゃくちゃな代物)」と批判しており、欧州テック界での不満は根強い。

DSA(デジタルサービス法)については、むしろ積極的に擁護した。フェイクや有害コンテンツの拡散に対して誰かが責任を負わなければならない、という立場だ。

「これを気に入らないアメリカの友人たちには申し訳ないが、DSAはデジタル民主主義の柱だと思っている」(コラオ)

なお、米国は先月、EUのDSA違反をめぐるXへの1億2000万ユーロの制裁に対するイーロン・マスクの異議申し立てを支持するためEU裁判所への介入を求めている。

著作権問題——「盗みを認めろということか」

最も歯切れが良かったのが著作権に関する発言だ。AI企業側が著作権法の緩和を求める議論に対し、コラオはクリエイター側を支持した。

「AI企業が著作権法に不満を言うとき、私はこう言う——すみませんが、盗みを認めろということですか?」(コラオ)

知的財産と創造的作業の価値を守る必要があるという立場であり、AI学習データの著作権問題が世界的に訴訟に発展している現状(New York Times対OpenAIなど)を踏まえれば、一定の重みがある発言だ。

政策サイクルの遅さと「欧州」への責任転嫁

テクノロジーの進化速度は立法プロセスを上回っており、政策の意思決定サイクルを速める必要があるとコラオは主張した。Starlink・SpaceXの台頭がその象徴だという。

政策立案には民間出身の有能な人材が必要で、ルールが頻繁に変わることを企業は嫌がるが、「世界が変わっているのだから仕方ない」と述べた。イタリアの通信相時代には、衛星コンステレーション(多数の小型衛星によるネットワーク)を2年で打ち上げた実績も紹介した。

また、欧州各国が連携できないことを「EUのせい」にする傾向を批判。宇宙・防衛・エネルギーでは各国の政治家がより大局的な視点を持つべきだと述べた。エネルギー価格が高すぎる問題についても、スペインがフランスにエネルギーを売れるにもかかわらず、フランスが競争を嫌がっていると具体例を挙げた。

AI投資とスタートアップの勝敗

General Atlanticでの投資判断として、AI企業の評価は一概にはできないとした上で、独自のアプローチを持ち、AI自体を活用し、顧客に近い企業は生き残ると述べた。コモディティ化(差別化のない汎用品化)した企業は厳しいという見立てだ。

チームの質を最重視しており、「ドグマにとらわれずに軸足を変えられるチーム」が重要だという。今後12〜18ヶ月で、良い企業は資金調達できるが、短期的なアイデアには資金が集まりにくくなると予測した。

AI固有の4つのリスク

AIの存在論的リスク(人類絶滅リスク)の議論とは別に、コラオが実務的なリスクとして挙げたのは以下の4つだ。

  • 雇用と社会的影響:雇用を心配する政治家の懸念は正当だとした
  • 人間の判断力への影響:AIが人の判断を補強するよう、若者への教育が必要
  • 富の集中:富が集中した場合、税制改革の議論が必要になる
  • サイバーセキュリティ:業界が政治家と協力して取り組むべき課題

詳細はVittorio Colao on AI and copyright: 'You want me to allow stealing?'を参照していただきたい。